2024年 秋学期 まとめ MBTIからみた大学スポーツ選手の特徴
MBTI(Myers-Briggs type indicator)とは、世界で最も広く知られている性格診断ツールの一つであり、4つのアルファベットで性格を16種類のタイプに分けることができます。
MBTI無料診断サイト
これは、ユングの性格タイプの考え方を理解しやすいものにし、日常生活の場で自分のタイプを活用できるように開発された質問紙です。
アルファベットにはそれぞれ特徴があり、EかI、SかN、FかT、JかPを組み合わせて性格を診断します。
基本的な特徴は下記になります(図1~8)。
E(外向)は、コミュニケーションが好きで、人との関わりを通して学ぶ、話しながら考え、まとめる特徴がある。
I(内向)は、1人でいることを好み、内的体験を通して学ぶ、考えを内省することでまとめる特徴がある。


S(感覚機能)は、現実主義で、経験から得られた情報を信用する特徴がある。
N(直観機能)は、理想主義でアイディア豊富でひらめいたことを信頼する特徴がある。


F(感情)は、自分が思い従った価値基準から考え、調和や肯定的な人間関係を追求する特徴がある。
T(思考)は、分析的観点を重視して考え、人々が公平に扱われることを望む特徴がある。


J(判断的態度)は、規律正しく、想定内で整理された生活を好む特徴がある。
P(知覚的態度)は、格式ばらずに状況に応じて行動する特徴がある。


このようなMBTIですが、スポーツ選手に特異的な特徴がみられるのかを調べてみることにしました。
Google Formsを使って「MBTIのタイプ」と「週の運動回数」を聞くアンケートを行いました。
対象は、本学の強化部(駅伝、チア、ソング、アメフト、サッカー、野球)に所属する学生(以下、大学生アスリート)と、運動を行っていない一般学生としました。
【結果】
大学生アスリートからは、68名の回答が得られました。
大学生アスリートのトップ3のタイプは、
1位 ISFP
2位 ENFJ, ENFP, INFP, ENTP
一般学生からは、73名の回答が得られました。
一般学生のトップ3は、
1位 ENFP
2位 ISFJ
3位 ENFJ
インターネットなどで調べてみると、日本人に多いのはENFPということがわかり、一般学生の1位と同様でした。
しかし、これでは大学生アスリートの特徴がはっきりとわからないため、4つのタイプをそれぞれに人数を算出してみました。
また、一般学生でも週2回以上運動している人たちもいました。
そこで、よりス大学生アスリートの特徴を明らかにするため、一般学生は運動習慣が週に0‐1回に限定して比較することとしました。
その結果が下記になります。
表1. 運動習慣、週0~1日の一般学生と運動部活動生のアンケート集計結果
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一般学生 (N=53) 運動習慣 週0~1日(人) |
運動部活動生 (N=68) (人) |
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I/E |
26/27 |
36/32 |
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N/S |
27/26 |
35/33 |
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T/F |
4/49 |
21/47 |
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P/J |
26/27 |
47/21 |
以上の結果から、下記の特徴がみられました。
1.大学生アスリートは、一般学生と比較してTが多かった。
2.大学生アスリートは、一般学生と比較してPが多かった。
3.IとE、NとSは、大学生アスリートと一般学生に間に明確な違いがみられなかった。
次に、論文(客観的な意見)などで言われている大学生アスリートの特徴と比較することで、今回の結果について振り返ってみようと考えました。
そこで、自分たちで探した論文に書かれている大学生アスリートの特徴に当てはまるMBTIを考えてみました。
「客観的的意見」
1.ビョンとえみぜ組の考察
「大学スポーツ選手の回復力とMBTI性格タイプの関係」および「大学生アスリートの持つ人間力の特徴」という論文では、自己の感情を理解・管理し、他者の感情を認識して良好な人間関係を築く能力を測る指標である情動的知能指数が競技成績上位者の方が全般的に高い傾向を示した。これは、Eの外交的、Fの自分や他者にとって大切なことを考慮に入れて結論を導くことに当てはまる。
また、競技成績上位アスリートは、機転性,適応性の項目に関して有意な差が認められ、より高い値を示したことから、Pの格式ばらずに、状況に応じて行動する特徴に当てはまると考える。以上の結果から、I〇FPという結果が出ましたが、S(感覚)なのかN(直観)なのかの類推はできませんでした。
2.荒木とえりか組の考察
「運動部員の性格特性に関する研究」に運動部員は外交的、活動的、積極的なタイプが比較的多いと示されていた。Eの特徴は外向、実際に行動したり人との関わりを通じて学ぶ、すすんで周囲の人や出来事に関わっていくことから、アスリートにはEタイプが多いと考えた。
また、アスリートには十分に考えをめぐらさず的確な判断をしない非熟慮的な面があるとの記述から、感情型のFタイプ、臨機応変な対応をする知覚的態度のPタイプであると考えた。以上の結果から、E〇FPが出ましたが、こちらもSとNの類推はできませんでした。
3.佐藤とのあ組の考察
「スポーツが人格形成に与える影響」という論文に書かれていたスポーツマンは、自己解放型の傾向が非常に強く、繊細型の傾向が弱い為、社交的で周囲の人と気軽に付き合い、楽観的で陽気な性格の人が多いとの記述から、コミュニケーションが好きで、人との関わりを通して学ぶ、話しながら考え、まとめる特徴があるE(外向)タイプであると考えた。
一方で、人に対してあまり気を使わず感情で行動しがちな為、慎重さにけ、軽率な行動をとってしまいやすいとの記述から状況に応じて行動する、最後に一気にやるときにドライブがかかかる特徴のあるP(知覚的態度)タイプであると考える。
さらに、「スポーツが人格形成に与える影響」という論文に下記の内容が書かれていた。
「スポーツを行う人は自己解放型の傾向が強く、自分の直感や感情で行動しがちになる。そのため周りへの配慮や思いやりのある行動に欠けることが多々ある。
繊細型※においては、スポーツ歴が長くなるほどその傾向が弱くなるという特徴がある。
※繊細型とは?
→感受性が強い・心配性で物事をマイナスに考えがちである・相手の立場をよく考えて行動する。」
つまり、自分の意志が強く他人に惑わされないことが特徴であるTだと考えた。
以上の結果から、E〇TPが出ましたが、同様にSとNの類推はできませんでした。
「何が言える?」
- S(感覚)とN(直観)については、データおよび論文の中でも明確な特徴が見られず、スポーツとMBTIとの関連性が低いと考えられる。
- スポーツ選手にPが多かった結果とそれぞれ論文から推察したMBTIではPを2組とも選んだことから、Pが多いことはアスリートの特徴であると考えられる。「MBTIタイプ入門」の書籍よりPは臨機応変に対応できる性格とあったため、スポーツ選手は臨機応変な対応ができる人が多い可能性がある。
- 先行研究より、スポーツを行う人は自己解放型の傾向が強く、自分の直感や感情で行動しがちになる特徴がある。Fは周りへの配慮が強い一方で、Tは自己主張が強くなる特徴がみられる。私たちのデータ分析から、アスリートはT(思考)の割合が高くなる傾向がみられた。よって、大学までスポーツやってきたということがF(感情)からT(思考)への移行に寄与する可能性がある。
今後の展望として
TとFでこれまで受けてきた指導の違いがあるのかを調べてみる。
同じ指導でもTとFで物事の受け取り方に違いがあるのかを調べると、指導に生かせるのではないか?
競技レベルの違いで特徴に差があるのかを調べてみる。
今回は、SとN、EとIで差がみられなかったが、異なる競技種目や個人の特性で何か特徴がみられるかも。
団体種目の人はF(感情)とT(思考)の特徴を持っている方が、チームとしてまとまるのかを調べてみる(キャプテンはT,部員Fがいいのでは?その逆の可能性も)。
結論
MBTIから考えられる大学生アスリートの性格は、外交的で自己主張が強く、臨機応変な対応ができることが特徴である可能性が示された。